藤巻 瞬|ナミイタ-Nami Ita-にて個展「不完全な修復」開催のお知らせ

メンバーの藤巻 瞬がナミイタ-Nami Ita-にて個展を開催します。


超不定期滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.02藤巻瞬『不完全な修復』

” かつて、そこには誰かがいた。置き去られたビニール傘、打ち捨てられた自転車やコップ、機能を停止したカメラ、写真、窓、電球、照明。あらゆる取り残された「デブリ」に、人々の痕跡を見る。忘却され、存在する意味や理由を失くした、しかし、かつて誰かが必要としたモノに対してイメージの再解釈 / プラスティネーション(※)を行うことによって、その誰かの面影と私は対話を試みる ”  

(※)人間や動物の遺体または内臓などに含まれる水分と脂肪分をプラスチックなどの合成樹脂に置き換えることで、それを保存可能にする技術

藤巻 瞬

■ 会期:2022年1月14日(金)→2月14日(月)

  ※金土日月オープン。火水木休み。

■ 時間:12時30分ー20時

■ 会場:オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ-Nami Ita』

住所:195-0054 東京都町田市三輪町2036(アトリエ・トリゴヤ内)

徒歩=小田急線鶴川駅より徒歩約15分。

バス=鶴川駅より、神中バス=緑山循環(鶴08)

小田急バス=奈良北団地行き(鶴09)それぞれ『三輪入口』下車。

バスを降り、目の前の坂を下りたすぐ右手の広場に建つ赤い掘っ立て小屋。

■ 入場:ドネーション・チケット500円(藤巻マイクロ作品とナミイタのオリジナル木版画、ポストカード付)

■ 企画:東間嶺(TEL:090-1823-7330

■ 協力:アトリエ・トリゴヤ、作庭工房

■ MAIL: TinShackNamiIta@gmail.com URL: https://tinshacknamiita.org/

■ SNS: Twitter&FB→@Namiita2036

* 会期中、作家が在廊している日は、展示制作の継続として、グルーガン    を使った「公開修復」を実施する予定です。

*新型コロナウイルス感染症対策のため、ご入場時のマスク着用、検温、手指消毒をお願い致します。ギャラリー部分は一部土足禁止になりますので、マイスリッパがお勧めです(消毒済み共用品はあります)

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開催概要

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■ オルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ-Nami Ita』は、2022年の第一弾企画として、1月14日(金)~2月14日(月)のあいだ、「超不定期滞在制作project《Nami Itaに、いた?いる!》Vol.02」として、藤巻瞬『不完全な修復』(企画:東間嶺))を実施します。

■ コロナ禍の襲来と共に和光大学を卒業した若手作家である藤巻は、在学中から記憶やコミュニケーションの「忘却」に注目し、それに抗うようなイメージの定着をテーマに制作を続けています。専科で学んだ写真表現の技法をベースにするその作品は、多様なメディウムを用いつつもこれまでほぼ平面に限られてきましたが、今回の『不完全な修復』では、40年のあいだ小屋に打ち捨てられてきたさまざまな日用品や制作道具の残骸(わかりやすくいえば粗大ゴミ)を樹脂(グルースティック)で覆い、蜘蛛が獲物を絡めとるように「再立体化=不完全な修復」させたインスタレーションを内外に展開しています。

■ 藤巻はそれをPlastination(プラスティネーション=人間や動物の遺体や臓器に含まれる水分と脂肪分をプラスチックなどの合成樹脂に置き換えることで、それを保存可能にする技術)のようなものだと表現します。進化した標本技術であるPlastinationと「ゴミを樹脂で覆う」ことは厳密にいえば大きく異なるものですが、失われた、失われつつあるものへ働きかける意志、という点においては共通する要素があるとも言えるでしょう。

■ 訪問滞在制プロジェクトである《Nami Itaに、いた?いる!》は、作家が、日々朽ち、あるいは息を吹き返す「場」としての小屋をどう変化させるかを核心にしていますが、そこに打ち捨てられた「ゴミ」を記憶と忘却という点から作品化する今回の藤巻の試みは、ゴミ、即ち時間=歴史と捉えれば、単なるジャンクアートのそれとは違う普遍性を帯びます。vol.01の山本が残した、場と一体化し、時間を共有するかのようにいまも変化が続く作品の痕跡共々、御高覧頂ければと思います。

(文責=代表:東間嶺)